感情はコントロール! のその先に。
昨年末から、ストレスチェックが義務付けられま したが、
このねらいは、自分のストレス状態を早めに知って対処し、
うつ病などを予防することだそうです。
いよいよ国を挙げて「精神的な健康」にも目を向けられてきました。
看護は、感情労働 の際たるものです。
どんなに疲れていても、患者さんには笑顔で、
夫婦喧嘩をしたあとでも、白衣を着ているときは優しく、
ミスをしないように、患者さんに寄り添うー。
看護師には、自分の感情をコントロールすること、
患者さんや家族から感情をぶつけられても、
受け止めることが求められます。
これって、めちゃくちゃ難易度が高くないですか??
当然のように求められている割に、
ちゃんと教えてもらわない。。。。
わたしは以前、
「よくわからないから、笑顔でいればなんとかなる」
みたいな対処をしていました。(当時の私が編み出した苦肉の策です)
新人の頃、患者さんから理不尽に怒りをぶつけられ、
足をけられたときは、どうしていいかわかりませんでした。
ただただ、自分の喜怒哀楽を麻痺させることによって、
その場をしのいでいました。
そんなわたしに綻びが出たのは、
自分の夫婦関係が微妙になってからです。
そこから、自分の「感情」と向き合いました。
人の力を借りて、喜怒哀楽を取り戻して、
そこから、「感情」のメカニズムについて学びました。
感情とどう付き合うかには、レベルがあるなと思いました。
自分がどのレベルで対処しているのかによって、
心の自由度がちがうと感じています。
一つづつみていきますね。
レベル1:感情を鈍らせる、or オーバーに表現する
感情とは「反応」です。
ある出来事が起きたときに、
ある人は感情を鈍らせて感じないようにすることで、
またある人は「聞いてよ、こんなに辛かったんだよ!!」
という風に表現することで対処しようとします。
心や感情について学んでいないほとんどの人はこの方法を取っています。
表現の差はありますが、
クレーマーやモンスターペイシェントと呼ばれる人たちも
ここのレベルになります。
レベル2:感情をコントロールする
コントロールと聞くと、怒っていても平静を装うとか、
我慢するというイメージがあります。
最近は、アンガーマネジメントなるものもあり、
感情の中でも怒りや悲しみといった、ネガティブな感情と呼ばれるものとも
心地よく付きえるようになろうと教えてくれます。
レベル3:感情を味わって流す
このレベルになると、外の出来事に反応するのではなく、
感情は自分の内側から湧くものだと思っています。
コントロールするというよりは、
感情を自由に感じてもいいと思っています。
子どものように喜怒哀楽を感じますが、
自分を客観視できるようになってくるので、
感情的にならずに自分の感情を表現できるようになっていきます。
レベル4:感情を感じた後、一つであることを教えてくれる
(これは、、、表現するのが難しいのですが、)
自分の内側を、相手を通して見せてくれているという考え方です。
自分の間違った思い込みや反応パターンに気づいたり、
相手が「助けてよ」とか「わたしのことをわかってよ」と
伝えていることに気づきます。
そして、このやりとりが二人にとって必要だったと感じます。
学校のカリキュラムにも、看護師になる過程でも、
自分の「感情」について学ぶ機会がないので、
多くの人がレベル1のところにいます。
「反応」するだけだと、対処のしようがありません。
うつ病は、「感情鈍らせすぎ病」とも言えます。
鈍らせることで、自分を守れるのではと考えてしまいますが、
その結果、「うれしい」や「楽しい」といった
ポジティブと呼ばれる感情についても鈍くなってしまいます。
どんな風になっているのか、メカニズムを知り、
どう伝えるか、コミュニケーションを学ぶ。
小手先の接遇とかではなく、
「感情」についてちゃんとわかる。
感情と上手に付き合えるようになると、
仕事以外でも、
家庭でも、子どもとも、
買い物に行った先の店員さんとのちょっとした会話でも、
心が喜ぶことがある。
理不尽に怒りをぶつけてきた患者さんは、
手術前で不安だったんだろうな〜と今ならわかります。
経験から学んでいくこともありますが、
メカニズムを学ぶと、腑に落ちます。
コントロールのその先に、
見える景色が変わります。
感情を学ぶには、
映画インサイトヘッドもいいですよ〜。
(インサイドヘッド押し。)